『お客様の会員番号を入力して下さい』
えっと、1, 3, 5, 2, ……。
あれ?どこまで入力したっけ?
入力画面と用紙を交互に見ては、数字をたどって入力していく面倒くさい登録作業。
頑張って打ち込んだ結果
『入力内容に誤りがあります』
にっこりと微笑んだ後、用紙をビリビリ破って丸めて、画面に叩きつけてやろうかと思いますよね(笑)
そんな数字を覚えるストレスから、あなたを解放してくれるのが『数字記憶』です。
数字記憶を身に着けると、並んでいる数字を一通り見て、ササっと入力を済ませられるようになります。
この記事を読み終わるころには、あなたも10桁程度の数字なら、かんたんに覚えられるようになっているはずです。
ぜひ、最後までお付き合いください。
あなたが現在、どれくらい数字を覚えられるのかは、Memory Leagueというサイトでチェックできます。
ゲーム感覚でプレイできるので、記憶力に自信のある方、記憶力を鍛えてみたい方はぜひやってみてください。
自分がどれくらい成長できたのか、記事を読む前後で比べてみるのも面白いかもしれません。
並んだ数字を記憶する方法
例えば、次のような数字。
あなたはどうのようにして覚えますか?
【 156899 】
「いこむばくく、いこむばくく……。」と、呪文のように唱えて覚える方が多いと思います。
ですが、この方法だと「いこ…いこ……なんだっけ?」と、すぐに忘れてしまいませんか?
記憶してから時間が経ったり、覚える桁数が増えたりすると、その難易度はさらに上がるでしょう。
よりたくさんの数字を、より長い時間覚えているにはどうしたらいいのか。
メモリースポーツという、記憶力競技の選手たちも使っている方法を、3つのStepに分けて紹介していきます。
語呂合わせで記憶する(数桁)
数字記憶の基礎となるのが、数字の語呂合わせです。
【 156899 】
上記の数字であれば「15」「68」「99」と2桁ずつに分けて、語呂合わせを作ります。
「15」→ いちご , 「68」→ ロバ , 「99」→ 救急車
覚えるときは、頭の中に「いちご」「ロバ」「救急車」を思い浮かべます。
思い出すときはイメージを数字に戻すだけです。
呪文のように唱えていたときよりも、覚えやすくなったのではないでしょうか?
10桁前後の数字なら、この語呂合わせだけで覚えられます。
ですが、それ以上の数字になると「ロバが先だっけ?いちごが先だっけ?」と混乱してしまいます。
そこで使われるのが、次で紹介している『ストーリー法』です。
ストーリー法で覚える(数十桁)
例えば、次のような数字を覚えたいとします。
【 989243248763 】
「急に増やしすぎだよ……」という、あなたの心の声が聞こえた気がしますが、問題ないので安心してください。
やることは、ほとんど変わりません。
語呂合わせの時と同じように、数字をふたつずつに分けていきます。
98 92 43 24 87 63
頭の数字から順番に、語呂合わせのイメージへと変えていき、物語を作っていくのが『ストーリー法』です。
少し試してみましょう。
私が上の数字を順番に使って、物語を作ってみました。
小説や昔話のような感覚で、頭の中で風景をイメージしながら読んでみてください。
あなたが『クワ 98』で地面を掘っていると、『靴 92』が出てきました。
靴をどうするか悩んでいるところに、『シーサー 43』がやってきたのでプレゼントしてあげました。
喜んだシーサーが、お礼に『虹 24』の国まで連れて行ってくれるそうです。
虹の国に到着したあなたが見たものは、辺り一面に咲く『花 87』と、空飛ぶ『ムササビ 63』でした。
ものすごくファンタジーな世界ですね(笑)
私の頭の中は、お花畑じゃありませんよ!!たぶん正常です。
それよりも、今読んだストーリーを思い出しながら、語呂合わせの数字をメモ帳などに書き出してみてください。
最初は何をしていて、その後どうなっていったのか、物語を順番にたどっていく感じです。
どうでしょうか?
かけましたか?
全部で12桁です。
それでは、答え合わせをしてみましょう。
【 98 92 43 24 87 63 】
自由度が高くて楽しい
私は数字の98と92で、「クワで地面を掘って靴が出てきた」というストーリーを作りました。
ですが、語呂合わせと順番を間違えなければ、どんなお話にしても問題ありません。
「手足の生えたクワが靴を履いている」でも、「クワガタを靴下で捕まえた」でもいいわけです。
自分なりのストーリーを作って、ぜひ暗記してみてください。
現実ではありえないハチャメチャな展開の方が、面白いし記憶に残りやすくなります。
物語を作りながら笑い、数字を思い出せて喜び、覚えるのってこんなに楽しいんだと、あなたもきっと思うはずです。
やればやるほどストーリーを作るのが上手くなって、暗記がスラスラできるようになりますよ!!
正確に数字を覚えたい場合
もし正確に数字を覚えたい場合は、00~99の数字に何を使うのかを、事前に決めておく必要があります。
語呂合わせを思いついたまま使っていると、「04 お塩」「40 塩」や「02 おにぎり」「58 ご飯」などで間違えてしまいます。
すこし面倒臭いと感じるかもしれませんが、一覧表を作ってメモしておきましょう。1度作っておけば、一生使えますからね!
参考までに、私の一覧表を紹介しておきます。
下記事では2桁の数字に3つのイメージを作っていますが、日常生活ではひとつのイメージがあれば十分です。
3つの中からひとつ(推奨:Person, Object)を選んでもいいですし、自分が思いついたものを使っても大丈夫です。
同じ数字が出てくる場合
数字を記憶していると、同じ数字が出てくる場合があります。
混乱してしまいそうですが、「再登場かよ!」と心の中で突っ込みながら、ストーリーを作れば問題ありません。
同じ数字が連続した場合、私は「そっくりさんを呼んできた」「影分身の術を使った」というイメージにしています。
場所法を使って覚える(数百桁)
ストーリー法は面白くて覚えやすいですが、物語が長くなってくると順番を間違えやすくなります。
そんなとき使えるのが『場所法』です。(※詳細はこちら)
上記のように、その場所ごとにストーリーを展開していくのです。
桁数が増えて長くなってしまうストーリーを、分割して別の物語にする感じですね。
ただし、通る場所の順番と置くイメージの数を、事前に決めておく必要があります。
使い方をかんたんに説明
場所法は多くの場合、ストーリー法と組み合わせて使います。
例えば「玄関→居間→キッチン」の順番に通って、「2つずつ」イメージを置いていくとしましょう。
覚えるのは、ストーリー法の説明でも使った【989243248763】です。
『玄関』でクワを振って靴を飛ばす
『居間』にあるシーサーの置物が虹色に光る
『キッチン』に飾られた花にムササビが飛んでくる
思い出すときは、あらかじめ決めておいた順路を通って、何をしたのか、何があったのか、何が起こったのかを考えます。
ストーリー法の時と同じように、順番に物語をたどっていく感じですね。
暗記量を増やしたい場合
暗記量を増やしたいときは、トイレ, お風呂, 洗面所, etc. 通る場所を増やします。
「クワを振って靴を飛ばしたら、シーサーの置物が虹色に光った。」と、ひとつの場所に置くイメージを増やす方法もあります。
個人的には、場所に置くイメージ数は2~4にして、通る場所を増やすのをオススメします。
なぜなら、ストーリーは長くなると順番を間違えやすくなるからです。
移動するルートは、右壁左壁の法則・時計回りなど、ルールを決めておけばまず間違えませんからね。
私の場合、場所は家の17ヵ所、イメージは3つずつ置いて、計102桁(17ヵ所×3イメージ×2桁)覚えられるようにしています。
場所法の詳しい説明
場所法(別称:記憶の宮殿)を使えるようになると、記憶できる量がかなり増えます。
もちろん多少の練習は必要ですが、それでもメリットが大きいです。
場所法の注意点や練習方法などについては、下記事で詳しく書いています。上達したい方はぜひ見てください。
スピードを求めるなら(おまけ)
私は上記までの内容を練習して、1分で70桁覚えられるようになりました。
Memory Leagueという記憶力を鍛えられるサイトでいうと、最高レベルの『Numbers Level10』です。
日常生活の中で、1分以内に70桁以上覚える場面はまずないでしょうから、これ以降は趣味の範囲だと思ってください。
短い時間でたくさんの数字を覚えたい場合、先ほどまで便利だった『ストーリー法』がネックになります。
覚えたい数字は毎回変わるので、そのたびにストーリーを1から考えなければいけません。
そんなストーリーを考える時間を短縮できるのが、変換術『PAOシステム』です。
PAOシステムとは
2桁の数字に「人物…Person」「行動…Action」「モノ…Object」という、3つのイメージを作っておきます。
例えば、【 293153 】という数字を覚えたいとします。
この場合「29はPerson, 31はAction, 53はObject」と、P→A→Oの順番に変換していきます。
数字 | Person | Action | Object |
---|---|---|---|
29 | フクロウ | 突く | 机 |
31 | サイ | 採掘 | 財布 |
53 | 古坂大魔王 | コサックダンス | ゴミ |
つまり【 29 31 53 】は、「フクロウが採掘しているとゴミが出てきた」となります。
もし数字が【 31 53 29 】だったら、31がPerson, 53がAction, 29がObjectになり、「サイがコサックダンスを机でする」になります。
上記のように、PAOシステムを使うとストーリーを作らなくても、ひとつのイメージが出来上がるのです。
数字をPAO順で変換しながら、玄関, 居間, キッチン, etc と順番に場所へ置いていけば、長い桁数でも短時間で覚えられます。
ただ、「00~99」のイメージ作りに加えて、数字からイメージへの変換練習も必要なので、相当やる気がないと難しいです。
私はイメージ作りで疲れ果てて、変換練習はお休み中です(笑)
一覧表を作るのはかなり大変です。もし作りたい方がいれば、私の『数字語呂合わせPAO』を参考にしてください。
数字記憶はトレーニングが必要
どの方法を使うにしても、数字を見たとき、イメージがパッと出てこないと、記憶に時間がかかってしまいます。
車のナンバーやデジタル時計など、「数字を見かけたら変換する」というのが、オススメの練習方法です。
基本的に、覚えなければいけない数字というのは、日常生活の中で出てくる数字でしょうからね。
日ごろから、数字の変換に慣れておきましょう。
最後に確認問題!!
最後にちゃんと覚えられるようになったか、チェックしてみましょう。全部で12桁です。
【 427131502960 】
ちょっと難しいなと感じた方のために、数字を見やすくします。
【 42 71 31 50 29 60 】
覚えたら画面から目を離して、数字を思い出してみてください。
どうでしょうか?正解できましたか?
私がストーリーを作るなら下の通りです。
「死神 42」が「ナイフ 71」で「採掘 31」していると、「凍った 50」「肉 29」が出てきたので、「ロウソク 60」で解凍した。
【 427131502960 】という数字の一番かんたんな覚え方は、シツナイ サイコウ フクロウなんですけどね。
室内(インドア)最高と言っているフクロウ(OWL )。つまり私のことです!!!
この記事を通して、数字記憶の面白さと奥深さを、少しでも感じてもらえたなら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。